観察と考察を繰り返し、課題解決の糸口を見つける

薬科学研究科・薬科学専攻修了(2021年卒)

片山製薬所を選んだ理由

ものづくり×化学を極める「薬学」の世界で活躍したかったから

幼少期からものづくりが好きだった私。学生時代には、化学に興味を持ち、分子同士の反応というミクロの現象を論理的に説明できることの奥深さに面白さを感じていました。そして、自分の好きなものづくりと化学を掛け合わせたのが「薬学」だと考え、薬学部へと進学。有機化学について研究を行い、少しのパラメータ変化で収率が大きく変わるという経験から反応系中で起きていることを解明する楽しさと、創薬の難しさを知りました。研究を進めていく中で医薬品の創出に関わる仕事に就きたいと思うようになり、「薬の合成」を軸に就職活動を行い、長い歴史と独自製品の開発技術を持つ片山製薬所への応募を決めました。

私の仕事

仮説と実証実験を重ね、より合理的な解決策を見つけていく

技術部の役割は、製造現場で実際に起きた問題点、もしくは起きうる問題点に対してあらゆる角度から解決への道筋を見つけることです。その解決には、大量生産、安定供給、環境や安全への配慮などを勘案した合成法を見つけ出す学問分野「プロセス化学」が深く関わってきます。毎回同じような安定した結果を得られるようにするためには、収率、反応時の発熱、反応に要する時間といった結果に対し、反応時の撹拌、反応温度管理、抽出方法、添加物といったパラメータを変化させて検討を行い、どのパラメータが重要であるかを解明する必要があります。
私の役割は、その解明に向けた各自に与えられたテーマについて自分の頭で考え、先輩に報告し、解決策を議論することだと考えています。仮説を立てて、実証実験を行い、予想通りの結果が得られた時はとても楽しく、やりがいのあるポジションだと実感しています。

仕事風景
仕事風景

仕事で大切にしていること

「観察」と「考察」を繰り返すこと

大学の研究では有機化学の中でも「反応」という一面しか注視していなかったのですが、今ではより多くの面に注意を払っています。例えば、工場の何千リットルという大きなスケールでは、今まで実験室内でのスケールでは気にしていなかったような問題が発生します。反応熱、分液操作、晶析、濾過性など起こる問題は様々ですが、実験室の数百ミリリットルの小さなスケールの段階から、スケールアップした後の製造現場で起きるかもしれない課題をあらかじめ見つけておき、原因と回避策を見つけることは非常に重要です。問題が発生した際に素早く対応できるよう、普段から「観察」と「考察」を意識することが大切だと考えています。

今後の挑戦

新たな事業や製品を生み出せる人材になりたい

新規事業の提案、新規製品の研究に携わりたいと考えています。現在、医薬品業界は変化が大きく、その変化に合わせてニーズも変わってきています。新規事業や新規製品の生産技術を確立することができれば、私たちのお客様である製薬企業への支援の幅も広がり「くすりづくり」への貢献度も高くなります。そのような仕事の中で、「さすが片山製薬所だ」とお客様から言っていただけるように、当社の存在意義を示していきたいと考えています。その実現のためにもまずは自分自身が日々挑戦を繰り返し、色々なスキルを身に付け成長することが大切だと考えています。

私のキャリアステップ

入社~5か月

配属されてすぐに製造中の品目を担当。実験室スケールで製造現場の再現をしながら実際に起きている課題の解決策を模索。

6か月~現在

次年度製造予定の品目を担当。これまで判明していなかったメカニズムが徐々に理解でき始めたことにやりがいを感じる。

世代に関わらず
気兼ねなく会話を
楽しめるところ

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